遺留分を放棄して貰うことは出来ますか?

人生相談 相続
【相談者】58歳男性 25年前離婚

昨年82歳で亡くなった父の遺産を相続した。
妻は口喧嘩の末、身重のまま家を出てしまい、それっきり。
約1年後に送られて来た離婚届に、親が勝手に捺印してしまった。
養育費は、預金通帳を妻が握っていたため、一括で800万位支払った。
父が死んだ際、連絡しても、一切接触を断られている。
父の遺産は不動産と農地が中心で、
3人兄弟のうち長男の自分が最も多く相続した。
自分が死んだ後の話だが、別れた後に生まれた娘にも相続権が発生する。
連絡を取ることすら禁じられている娘には、相続させたくないが、
最低でも遺留分があるので、それを放棄して貰うにはどうしたら良いか?
娘はもう27歳になる。
また遺留分を少なくするために、弟と養子縁組をしようと思うが如何か?

弁護士 坂井眞先生の言葉

遺留分の放棄は出来ません。
但し、自分が相続人になったことを知った日から1年以内に、
遺留減殺請求権を行使しないと時効になってしまいます。
これは法律上の制度なので、何を云っても発生する権利です。
話で気になったのが離婚経緯ですが、
本来結婚や離婚は「身分行為」なので、
本人以外が勝手に調印することは許されず、厳密の言えば無効です。
しかしもう27年も経ってしまっているし、事実として成立しているだけだ。
また、養子縁組についても、本来の目的とは違います。
娘さんも必ずしも遺留分を行使するとは限りませんから、
そこまでして、遺留分の阻止を考える必要はないだろうと考えます。
まずは遺言をキチンと用意することが肝心ですね。

パーソナリティ 今井通子さんの言葉

農家なので、先祖代々の田畑がこのような事情で無くなってしまうのは困ると思う。
そこで、養子縁組ではなく、生前に農地などを御兄弟に売却するのは如何ですか?

放棄は出来ますが、させることは出来ません

筆者が思うに
相続に於ける遺留分は、兄弟を除く相続人に与えられた権利ですから、
その相続人が自らの意思でその権利を放棄することは、当然あり得ます。
坂井弁護士が仰るように、減殺請求しなければ良いだけですから。
手続として放棄が認められるかは、被相続人が存命中であれば、
家庭裁判所の許可を得ることで、放棄できることになります。
但し、この相談者のように「自分が死んだ後」のこととして、
「放棄させる」ということは、手続法の濫用に当たるので認められません。
そこを判断して裁いているのが、家庭裁判所です。
こういうことは、、自分が会社に行っている間に、親が勝手に離婚届に捺印し、
それをそのままにしているような、無責任な輩には教えない方が良いでしょう。
勝手に捺印した親が悪いのではありません。
自分の意志でない身分行為に対して、あまりに無頓着な態度は信用を損ないます。
いい歳をして、娘さんへの連絡を禁じられているのも多分それが原因だと思います。
いい加減な生き方をしている、と思われると、
弁護士だって、全てを教えてはくれません。


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