俺の眼の黒いうちはと、先送りのリスク

人生相談 人生の諸問題
【相談者】49歳男性(独身 両親と弟39歳と同居)

自分の土地の向う側にある空き地が駐車場になった。
しかし、道路のように見える場所の半分は公道、半分は私有地である。
以前は自分の車しか通っていなかったので、問題無かったが、
新たに2台の車が停まるようになって、
それらの車が出入りする際には、必ず私有地を通らなければならず、
どうしたものかと悩んでいる。
その土地は弟の名義であるが、
両親は「黙認していると道路扱いされてしまう」と心配している。
地主から使用許可を得たとの説明があったと聞くが、
実際にどのような賃貸契約になっているのかも判らない。
小さな田舎町でもあり、あまり事を荒立てたくないのだが、
このままで良いものだろうか?

弁護士 中川潤先生の言葉

通路と云うのは誠にややこしい。
元々自分の車が通行するために、土地を引っ込めるカタチにして、
その分を見かけ上自分専用の「道路」として使用していた。
その向かいの土地は「接道義務」を満たさないために、
見た目道路があっても、建築申請が出来ない。
しかし、徒歩で出入りを黙認して5年10年経つと、ややこしくなる。
実際に出入りしていたから、「通行権」があると主張しても退けられるが、
逆に地主の貴方が、柵などして出入りを妨害すれば、
こんどはあなたの側が「権利の濫用」とされ、柵の撤去を命じられてしまう。
この判例がそっくり本件に当てはまるか? 車の場合は更に難しいが、
積極的通行権が先方に発生することは無くとも、
時が経つにつれ、実績を背景とした訴えを起こされるリスクは高まる。
弟さんとも良く相談し、お父さんと話をしてみたら?
もう俺たちの代なんだから、こうするよって・・・。
事を荒立てるのではなく、理を尽くして話すのだから。
穏便に済ませることも大事だが、ホッタラカシも望ましくない。
お向かいさんと早めの話し合いをするのが良いと思う。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

気の済むように解決するなら、トラブルは避けられません。
トラブルを避けたければ、気持ちにシコリは残ります。

「ことなかれ」を子の代に引き継ぐな

筆者が思うに
土地の問題は複雑で、図面でもないと良く理解が及ばないが、
この父子の関係は世間にゴロゴロしていそうだ。
世間に対する道徳観や倫理意識は、世代によって大きく異なる。
特に「ご近所さん」への義理立てや気の遣い方で差が出る。
これは「町内会運営」などの在り方によく現れる。
高齢世帯は、不幸の際の共同体的は役割を町内会に求め、
若年世帯では「花見」など近隣コミュニティとしての機能を貴ぶ。
どちらであっても仲良く出来るならそれで良いが、
トラブルになりそうな時に、障害となるのが世代間ギャップ。
「キチンとする」ということを、「杓子定規」と受け取る世代。
頑固にも息子世代に背を向けながら、
「オレの眼の黒いうちは」と口を「への字」にひん曲げる。
息子は「どうせもうすぐ死ぬんでしょ」とも言いにくい。
判例をどう解釈するかは、専門家に任せれば良いが、
この父親を説得するのは息子に課せられた難事業だ。


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