幼児期に封印された心の叫び

人生相談 子育て 教育
【相談者】31歳女性 独身 両親と姉33歳と同居

母親と仲が悪く、私と本気で向き合ってくれない。
何か話しかけても、逃げられてしまう。
最近、姉からの忠告で、私に自立して家を出たらどうかと言われた。
過去に2回、独り暮らしをしたことがある。
今は両親との暮らしに、一応満足はしているのだが、
母親としては、親の有難みを知るためにも自立せよ、という感じだ。
私としても、向き合ってくれないなら一緒に居ても意味がないとも思う。
今後私はどうしたら良いだろうか?

幼児教育研究 大原敬子先生の言葉

話を聞いていて気が付いたことですが、
貴方はコミュニケーションがとても苦手なのではありませんか?
加藤先生との一問一答には、キチンと答えられるものの、
全体としての貴方の話が、途中で別の感情によりブレてくるようだ。
お母さんが向き合ってくれないと感じているのは、
貴方から、話しかけることが出来ないからではありませんか?
要するに貴方は、寂しかったのでしょう。
声に抑揚が無く、何を言いたいのか良く解らない。
しかし、こちらが貴方に関心を示せばキチンと答えられる。
貴方の要求は、幼児期のそれではないかと思うのです。
幼児期に満たされなかった事を、今要求しているのです。
お母さんはあなたが幼児の頃、あなたに無関心だった。
だからあなたは淋しくて、今自分で自分を抱きしめている。
お母さんの胸をこぶしで叩いて、「かまってよ」と云っても、
お母さんには伝わりません、何を言っているのか解らないからです。
貴方はお母さんを憎んではいませんが、求めるお母さんは居ません。
人間は相手の要求が解らないと、不安になってしまいます。
まずは、貴方が幼児期に「こうして欲しかった」と伝えること。
それがコミュニケーションです。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

大原先生の仰る通り、幼児期です。
「母親が向き合ってくれない」という言葉の中身を補足すると、
「お母さんが私を好きかどうか、確信が持てない」ということです。
しかし、幼児期に貴方に対する積極的な関心が無かった母親が、
今の貴方を作っているのですから、それはそのままでは解決不能ですね。
そこで、貴方には何か新しい事を始めて欲しいのです。
趣味とか、犬を飼うとか、近所の子供と遊ぶでも、何でも良いから、
大切なことは、行動の計画表を作るということです。
計画を立てることで、毎日に目標が出来ます、
計画通りに行かなければ、それは計画に無理があるから、作り直す。
それを繰り返すことで、貴方の積極的、自発的、自我確立が完成する。
貴方の自我が未発達なのは、幼い頃の大切な人が、
自分を大切に思っているかどうかの、確信が持てなかったことが原点です。
自我確立に必要なその確信を、お母さんからはもう得られません。
だから自分で作るのです。
自我が確立されれば、自立すべきかどうかの意思決定に迷いは無くなります。

行動の予定表を作る、それがポイントです

私とあなたの境界線、それが自我

筆者が思うに
自我が曖昧であるとは、自分と他人の区別がつかぬことだ。
この相談者の話を理解できる人は、現実には居ないに等しい。
私は貴方ではありません、だから私は貴方が解りません。
という原点から脱出することが、このままでは未来永劫出来ない。
それを可能にするのが、コミュニケーションスキルである。
大原先生、加藤先生というエース級の回答者がリレー登板することで、
始めてこの相談者に、意味ある回答を示すことが出来た。
久々に圧巻の相談だったと言える。
私が誰なのか、私の望みは何なのか、私自身も解らない。
こういう苦悩に満ちた人生に、悶々としている人は少なくない。
「私は愛されている」という確信が、人を人にする。
それは幼児期に完了するはずの、心理的成長過程であった。
それに失敗したなら、自分が自分の親になる。
より養育的立場で、自分自身に接する必要がある。


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