過去の離婚を、喉の渇きで償わされる父

【相談者】62歳女性 夫64歳 長男35歳(独身)

90歳の父親の最期のことで、身元引受人と対立している。
父の子供は私ひとりだが、母親は再婚で男女2人の連れ子が居た。
身元引受人とは、その男の方である。
(年齢は60歳位で1年前に養子縁組)
父は2年前から胃ろうになり、口から食事を摂れなくなった。
入院中は、医師の管理の下で、楽しみ程度に口から食べることが出来ていたが、
施設に移ってからは、医師が居ないため誤嚥などのリスクから、
口からの摂取は一切禁じられるようになった。
父は「お茶をひと口飲みたい」と泣いて訴えるが、許して貰えない。
私は総合病院を幾つか当たって、事情を説明したところ、
「社会的入院」として受け入れ可能であると言われた。
その旨引受人の男に伝えたが、一切の願いを拒否された。
先般、成年後見人の申し立てを行ったが、まだ手続中である。
私は怒り心頭で、この男を訴えてやりたいとさえ思っている。
これは父への虐待ではなかろうか?

弁護士 坂井眞先生の言葉

坂井眞弁護士

これからこういう問題が多くなってくるのではないかと思うが、
まず施設側の立場から云うと、嚥下能力が衰えた90歳のお父さんが、
口から食物接種することで、誤嚥性肺炎など、重症となるケースが多く、
そうした事に責任を持つ立場上、
家族間の意見対立に巻き込まれるのを嫌う。
そのため施設の入所契約で、窓口を一本化しているため、
家族側代表者たるその男性の言い分が、全部通ってしまうことになる。
1年前に養子縁組というのは、果たしてどんな狙いのものか疑わしいが、
今それを議論しても拉致が開かない。
実子でも養子でも、法的には権限は同じである。
今はその子供同士が、反目対立の関係にあるので、
貴方が成年後見人になることについて、裁判所はあまり良い顔をしない。
男性側にすれば「何で裁判所が一方の肩を持つのだ」ということになる。
従ってこの場合、公正中立な弁護士が後見人に選任される可能性が大きい。
大切なことは、お父さんが残りの人生を如何に幸せに生きるかということだ。
現状では、その身元引受人はお父さんの要望を一切受け容れていない。
このことを裁判所に解って貰う必要がある。
これから医師による鑑定も行われるので、お父さんの希望を聞いて貰うよう、
しっかり裁判所に話を通しておきましょう。
それから「虐待」というのは、如何なものか・・・?
暴力暴言などがあるなら別ですが、そうでなければ無理があります。
今感情に訴えて、刑事告訴などということをやっても、
お父さんの立場改善には繋がらないように思います。
お父さんを思う気持ちを、お父さんの幸せのためだけに向けましょう。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

対立は最近の出来事ではない

高齢者施設と云う名の「最終処分場」

筆者が思うに
人間の最期はおキレイ事ではないのが実情。
食事の摂取もままならず、何れは下の世話までしなければならない。
状況からして、お父さんはきっと「要介護5」ではなかろうか。
公的支援を最大限利用したとしても、家族の金銭的、精神的、肉体的負担は大きい。
そのために、この連れ子の男性は「老人ホーム」を選んだのであろう。
義理の立場で出来ることはそのくらいだ。
その費用負担をする側として、後の相続権を得る目的での養子縁組である。
それで義父を「老人施設」という「最終処分場」に送り込んだのだ
これは実子である娘さんにとっては、耐えられない仕打ちと映る。
これまでは、「他家に嫁いだ立場」から、強い事も言えなかったが、
もう堪忍袋の緒が切れたのであろうか、宣戦布告寸前の様相だ。
実子と連れ子とは、どんな人間関係なのか?
経験のない筆者には想像が付きかねるが、多分因縁に満ちたものがあるのだろう。
加藤先生の最後の言葉も、何かそんなことを感じさせる言葉だ。
何としても父親の願いを叶えたいという気持ちから、
連れ子を排除すると言う発想で、行動を起こしても「父の為にはならぬ」という。
ならば選任されて来るであろう弁護士に、「最期は自宅で看取りたい」と、
伝えておけば良いのでは?
きっと父も義理ではない、血を分けた娘の下で人生を終えたいのではなかろうか?

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