克服する前に追い込まれる、叩けば割れる脆さを知る

【相談者】29歳女性(独身) 母62歳 父66歳 兄36歳(離婚)

母に頼ってしまう自分を、何とかしたい。
仕事が長続きせずに、独立出来ない。
喫茶店やレジのアルバイトなど、半年程度で対人関係に耐えられず、
辞めてしまった。
5年前に、私が母に暴力を振るってしまい、現在アパート住まいである。
社会復帰のカウンセリングを受けているので、その近くに住んでいる。
父だけが実家で生活し、母は現在兄のところに居る。
仕事や、先々の生活について、母に注意された事に腹が立ち、
私がつい暴力に訴えてしまうので、母が兄に相談したようだ。
また最近になって、「自立せよ」という父に対しても、
瓶で殴りかかるなど、暴力になってしまった。
仕事に対する恐怖がそうさせているのか、精神科から「対人恐怖症」と云われた。
自分でも様々な事を整理しきれずにいる。
何かアドバイスが欲しい。

精神科医 高橋龍太郎先生の言葉

高橋龍太郎先生

まず貴方の性格傾向や、どんな病的症状があるのか確認した方が良い。
多分貴方の中に、衝動性や注意力の低下など、仕事の持続に影響を与え、
長続きしない結果に繋がっている。
それがストレスとなって、母親に向かってしまっているようだ。
その母親との関係は、もう卒業しなければいけない。
だってもう30歳でしょ、自分のストレスで母親に殴り込みをかけたって。
もう母親無しで生活できるようにしなければならない。
そのためには、まず障碍者手帳を貰うようにしましょう。
薬の処方を受けているなら、3級の資格がもらえるはずだからね。
そうして、「障碍者枠」での就業を目指しましょう。
障碍者枠は、健常者に比べてパフォーマンスが劣る事を承知の上での採用だ。
だから、ちょっとミスをしたくらいで、文句を云われ萎縮してしまうことは無い。
給料は安いが、定収を得ることで、貴方にとっては大きな自信に繋がる。
幸にして今、カウンセラーや精神科医のサポートがあり、優れた環境だ。
また、暴力を振るっている時、半分記憶が無いのでは?
それも病気の中の症状で、投薬で改善されてゆくはずだ。

パーソナリティ 今井通子さんの言葉

今井通子さん

これからは、お母さんやお父さんに「人生相談」はしない方が良い。
「仕事どうするの? 生活どうするの?」と追い込まれて、
そればストレスになってしまう恐れがある。
家族とは、天気の話や、季節の話題くらいに留めて、
もし始まってしまったら、
「もうその話は止めて! 私おかしくなりそう」と、言葉で言う。
暴力になってしまう前にね。

父母は「人生相談」の回答者たり得ず

筆者が思うに
一体どんな家庭環境だったのだろう?
兄の離婚理由は何だったのか? 父母はどんな子育てをしていたのか?
自立したくない訳ではない、自立したくともその能力が開発されていない。
本来、我が国の義務教育は、最低限の社会生活に支障を来たさない教育をしている。
であるにも関わらず、その能力開発が捨て置かれたのには、事情があるに違いない。
「発達障害」に関する知見と治療が、急速に普及したことから、
最近では、学校も一定の配慮が出来るようになっているはずなのだが、
筆者が小学生の頃(昭和40年代)は、「精神科」と云えば「キチガイ病院」。
世の役にたたぬ、単なる危険人物として完全に遠ざけられてしまっていた。
ましてや学校では、授業妨害をする子供は、とんでもない「問題児」として、
まったく人間扱いされなかった。
それに引き換え、「多動性障害」という名称でその病が世に知られ、
「問題児」呼ばわりする方が、「問題人物」扱いされるようだ。
親は子供のカウンセラーにはなれない、まして人生の水先案内人になど、
到底なり得ない事を、まず親にこそ知らせなければならないのだが。

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