波乱万丈の船出、見送る側の不安

【相談者】51歳女性 夫51歳 長男25歳 長女23歳

長女が「お腹に赤ちゃんが居るので結婚したい」と言い出した。
とりあえず相手を家に呼んで話をした。
34歳の男性で、仕事もしており特に反対する要素は見当たらなかった。
すると、後から先方の両親が訪ねて来て、
今の仕事は辞めて新たに転職すること、
運転免許が違反の積み重ねで取り消されていること、等の説明があった。
二人とも二十歳を過ぎた成人なので、今後の事は任せるとして、
お腹の赤ちゃんのために、先に籍を入れることになった。
その前日になって、相手の男性が「動脈瘤乖離」で倒れてしまった。
この時点で私たちは、「この結婚はどうも・・・」という感じになった。
現在男性はICUからやっと出て来たところである。
医師の説明では、この病気は完治しないとのことであった。
先方の親御さんに連絡したところ、「我が家にはお金が無い」の一点張り。
娘も「病気はあっても、結婚して子供を産みたい」と云っている。
しかし、男性の転職先は土木関係だったそうだが、もはや体力的に無理。
生命保険にも加入していないらしく、親の援助無しでは立ち行かない。
こちらの本音としては、もうこの結婚は止めさせたい。
結婚させるなら、せめて経済援助のルールを決めたいのだが、
何か良い手立ては無いものだろうか?

弁護士 志賀こず江先生の言葉

志賀こず江先生

このお二人は年齢的に、誰の賛成も反対も関係なく結婚できます。
もし結婚後に、御両親の経済援助が必要になった時は、
このお二人から、援助のお願いに行くのが筋であって、
親御さんの側から、援助の準備をするというのは間違いです。
これはあくまでも、「第三者の法律家」としての意見ですが、
仮に予め両家の御両親で、援助のルールを定めたとしても、
資力が無ければ意味がありません。
定めたルールを書面にして、万一不履行が生じれば裁判になります。
裁判では、その書面をもとに貴方に勝訴の判決をくれるでしょう。
しかし、いくら「払え」と判決に書いてあっても、
払う資力が無ければ、判決の実効性は得られません。
先方は「医療費だけで精一杯」と仰って居られると云いましたね。
大事な息子が予期せぬ大病を抱え込んでしまい、
先方としても、「今それどころではない」という心境なのでは?
ここは、どうぞ立場を逆にして想像してあげて下さい。
相手の男性だって、好きこのんで病を得た訳では無い。
だから、初めから「保護、援助ありき」でスタートさせてはいけません。
不謹慎ですが、貴方方が亡くなった後も、
このお二人の生活は続いて行くのですから、
スタートで間違ってはなりません。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

加藤諦三先生

これだけ大変な問題は、周囲で支えると言っても無理です。
まずは本人の覚悟が何よりも重要。
これは、病気になった相手方の男性も同じことが言えます。
これから子供を抱えて生きて行くのは、とても大変な事です。
でも、本人達がそう決めたのなら、その覚悟が必要。
今この時点で、親が援助するという事は、
これからの長い人生を見据えた時、本当に良い事なのか?
今はその「人生の重荷」を背負って生きる決心をする時です。

他人の重荷を背負わないこと

病気発覚 ハイサヨナラの無責任

筆者が思うに
この相談者を批判するのはたやすいが、これが一般的な親ではなかろうか。
娘の人生の大きな分岐点で起きた波乱に、動揺を隠せなかったのだろう。
重病で入院中の男性を、「先方の御両親から押し付られている」、
と感じていたようだが、厄介払いしたいのは、この相談者の側の本音である。
入籍直前という、とんでもないタイミングでの発病。
これも神様が与えた試練、としか言いようがないのに、
相談者側は、完全に「被害妄想」的な感情に捕らわれてしまった。
それもこれも、娘可愛さがゆえ、ということだろうが、
筆者はどうもやはり、他人に対する冷たさ、無責任さの方が強いと感じる。
もしこれが、新婚生活スタート直後のことだったらどうだろう?
結婚式を挙げ、披露宴には親戚や友人を集めて、賑々しく振る舞ったその後で、
「病気が発覚したので、さっさと娘を返しなさい」と云えるだろうか?
貰った結納金を叩き返して、娘の手を引っ張って連れて帰るのか?
その傲慢ぶりは、忽ち世間の知るところとなろう。
「よく考えてみれば、その通り」と電話を切った後で赤面したに違いない。
親とはそんなものだ、電話相談して良かった。

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