返したくないのではない、生きたくないのでもない

【相談者】45歳男性 妻45歳 長男13歳

1年前に会社を辞めた。
営業職だったが、会社自体も業績が悪く、常々「辞めてくれ」と云われていた。
その後暫くはアルバイトなどで凌いでいたが、それも長くは続かず、
今はもう数か月、収入が無い状態である。
住宅ローンがまだ大分残っていて、銀行にも相談しなければならないが、
払うあても無く、そのまま放置して来た。
私が銀行からの呼び出しに応じないため、
妻あてに「以降は第三者を通した話し合いとなる」旨の電話連絡があった。
残債を払う意思はあるので、就職活動は行っているのだが、
一向に見通しが立たずに困っている。
これから銀行側の第三者と話をしなければならないが、
どういう姿勢で臨んだら良いだろうか?

(一戸建住宅ローン 購入額3千5百万 残債2千5百万位)

弁護士 高中正彦先生の言葉

高中正彦先生

滞納3か月ですか・・・。
まずいですよ、ほったらかしは。
銀行が訪ねて来たり、奥さんの職場に連絡してくるということは、
迷ってるんですよ、3か月滞納は銀行にしてみれば「事故案件」ですから。
貴方の単独名義だろうけど、抵当権が設定されてますよね。
競売にかけるかどうかで、まず先に貴方の考えを知りたいのでしょう。
しかしあんまりスッポかすと、あまりにも誠意が無いということで、
もうそろそろ危ないですよ、コレ・・・。
もし競売となると、そういう物件を欲しがる人は少ないです。
他人様の涙が染みついたようなモノを、誰も欲しがらない。
だから、普通に売っていれば2千万のところ、競売だと1千万・・・。
すると、残りの1千5百万は、ずっと貴方の借金になってしまう。
月の返済が13万で、奥さんのパート収入が15万じゃ生活出来ない。
せっかく終の棲家としてお求めになったが、もう限界だろう。
これから奥さんと、今後の人生について良く話し合う事。
そして、腹を括って早く銀行に行くことです。

【再び相談者】
あの、もうひとつ考えがあるのですが・・・。
妻はもう家は売って、離れて暮らしても良いと言っています。
妻や子と、別々に暮らす人生など意味がないので、
銀行と云うのは、万一に備えて団体保険に加入していると聞きますが、

【再び高中先生】
いいよ、もうそれ以上云うな! 何言いたいか判った。
アホなこと考えるな君!

大丈夫だから、君ならやって行けるから、頑張ってみろよ!
息子に何か残してやりたいという、君の親としての気持は見上げたものだ。
それで充分生きる意味は在る!
何云ってんだ、弱気になっちゃいかんよ君ィ・・・。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

加藤諦三先生

今奥さんも一生懸命働いてくれて、貴方も元気だ。
就職活動が上手く行くか、行かないか、という問題よりも、
就職活動が出来ている、という事が幸せなのです。
世の中には体が弱くて、それすら出来ぬ人だって沢山居る。
銀行に行って、それこそ「働くところ紹介して下さい、働いて返します」、
とでも言ってやればよい。
銀行だって貴方のそんな元気な姿を見れば、
色々と有効なアドバイスをくれる筈です。
そういう形で、あなたからこの逆境に立ち向うことは出来ませんか?
必ず貴方から銀行へ行って下さい、全然違いますよ、向うの態度が。

逃げると、問題はいよいよ大きな問題に思えてきます

生きれば尊し、逃げれば悲し 崖っぷちの人生

筆者が思うに
私は土地付きの住宅を、両親から相続させて貰ったので、
この相談者の立場から見ると、かなり贅沢な身分である。
そんな立場から、なるべくこの男性の身になって考えてあげたい。
しかしさすが加藤先生である、名案だと思う。
「この銀行で働かせて下さい、便所掃除でも何でもやります」と云ってやれ。
普通なら「手前共は慈善事業では御座いません」と、バッサリやられる所だが、
こんな風に言われれば、冷酷無比の銀行員も空いた口が塞がるまい。
こういうのを、「コペルニクス的発想の転換」というのだ。
銀行が味方に付いてくれれば、こんなに心強い話は無い。
心理的にも楽になって、再就職もトントン拍子に行くかも知れない。
一度は諦めかけた「マイホーム」、息子に譲ってあげられる可能性も出て来る。
「逆境は人生で最も優れた学校」というのは、加藤先生の著書の言葉。
これを機に、人生の重荷をプラス効果にすれば、
厳しい筈の逆境が、返って仕事その他の励みとなって、
そうして頑張っている時間を、「幸福」と感じるのかも知れない。
ここまで追い詰められたのだ、もう怖いものなど何もない。

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