好きにせよ、とは相手の価値を貶める言葉

【相談者】56歳女性 夫60歳 長男26歳 長女22歳(2人共独立)

娘について。
大学を卒業後、看護師として病院に勤めたが、自信が無いという。
先日も泣きながら電話をかけてきて、「看護師に向いていない」という。
そこまで言うなら、病院は辞めた方が良いかとも思うが、
多分看護師の国家試験は難関で、大変な思いをして来たのだろうと思う。
親として、一体どんな言葉をかけて良いやら、見当が付かない。
子供の頃から、倫理的、規範的に厳しく育てて来たせいかとも思う。
元来我の強い子で、自分の思い通りにならないと、不機嫌になる子だった。
それを私が戒めてばかりで、自由奔放な性格を封じ込めてしまった。
その結果、自分の意思を持たないような性格になったのかも知れない。
特に上のお兄ちゃんは、反抗期も無く手の掛からない子だったため、
いけないとは思いつつ、つい長男との比較でものを言い、
「お兄ちゃんのような人になりなさい」と躾てしまった。
どちらかというと、娘の性格は夫に似ているため、
夫への不満が、知らず知らずの内に、娘に向かってしまったのかも知れない。
今後の接し方についてアドバイスが欲しい。

幼児教育研究 大原敬子先生の言葉

大原敬子先生

お嬢さんの仕事に関する心配なのか、
それとも、お嬢さんの感情が貴方に向けられている事への怖れなのか?
または、せっかくの国家資格が無駄になり「勿体ない」ということなのか?
どれかと云えば、お嬢さんの感情についてですね。
貴方は他者との比較で、「ダメな子だ」と云い貶めて来た。
そうすることで、貴方は貴方の感情を満たしていたのですね。
それをお認めになるなら、私からヒントを差し上げることが出来ます。
お嬢さんは今、貴方に答えの無い質問を投げかけて、困らせようとしています。
それを、ただ黙って聞く、「ウン ウン」と頷くだけで良い。
一番云ってはいけない言葉が、「ごめんなさい」です。
謝るのは簡単です、でも「ごめんなさいで済むか」という気持ちになってしまう。
そうして話を聞けば、最後は言葉にならない泣き声になり、
2週間もすれば、嘘のようにケロッとしてしまいます。
「じゃあ辞めたら」とか、「好きにしたら」というのも駄目です。
そこで断ち切られたような気分になり、「こういう人なんだ」と思われます。
大切なのは、「こうして欲しい、ああして欲しい」それが母の願いということ。
お嬢さんの価値を認めること、それで彼女は自分から職場復帰します。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

加藤諦三先生

貴方はこれまで、大原先生の言う「駄目な言葉」で、
お嬢さんに接していましたね。
私がそのように想像したのは、
「お兄ちゃんと比較した」という貴方の言葉です。
比較する人は、「自己不在」です。
自分が無い、自分が何者か分からない、自分の興味も、関心も分からない。
それでいて、比較する人は「支配的」です。
お嬢さんを支配する言葉が、「好きにしたら」になります。
自分を見つめるヒントにして、お嬢さんとしっかり接して下さい。

比較する者には、支配の意図と自己不在があります

私には自分が無い、だからお前を支配する

筆者が思うに
「もう勝手にしろ!」という言葉がある。
この言葉の裏には「お前は本来自由の身では無い」、という意図が隠されている。
「自由で無いものを、自由にしてやるのだから、有難く思え」、
という意味も遠回しにある。
もちろんこんな使い方ばかりでは無いが、
こんな使い方をする人が、世の中には居るという話だ。
お前は私を支配して来た、だから私はお前にこの難題を投げかける。
私を支配した以上は、私に代わってお前がこの難題を解いてみよ。
支配者は、いとも簡単に投げ返す、「好きにせよ」と。
この無責任が許せない、というのが今回の回答内容である。
難しいのは、なんで「自己不在」と関連するのか? である。
自己不在とは、過剰に他者の期待に沿おうとする態度のことではなかったのか?
娘を兄と比較することで、娘から「自分」を奪おうとしたのではないのか?
もともと自分が不在だから、娘の「自己」を奪おうとしたのか?
つまり加藤先生がよく言う、「愛情飢餓」の環境で育ったせいなのか?
?だらけになってしまった、本当に難しい。

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