真面目な人を狙う「ワンクリック」の罠

【相談者】47歳女性 夫52歳 長男24歳 長女22歳 次男21歳

長男は中等度の知的障害である。
3年前に「女の子を紹介する会社」から、利用代金の請求があった。
警察や消費者センターに相談したところ、「架空請求」の疑いがあると云われ、
そのまま放置して、それっきりになった。
この度、同じ業者から再び10万円を超える請求があり、
脅迫じみた電話も架かって来た。
長男が業者に電話を架けている事だけは確かなようだ。
自分の職場や、私(母親)の職場を先方に教えてしまっているらしい。
こうした場合、親にも連帯責任がかかるのか?
障害者を保護する目的の法律などは無いものだろうか?

弁護士 坂井眞先生の言葉

坂井眞弁護士

解り易い話からすると、親や会社が連帯責任を負う根拠は法律上無い。
従って根拠の無い請求は断固断る必要がある。
障がいについては、そんなに簡単な事ではない。
障がいの程度によっては、「取引をしている」という認識が無く、
本人の知らないうちに高額の請求が溜ってしまうことが、現実にはあるが、
だからと云って、それを払わなくて良いとする理由も無い。
成人していれば、例え障がい者であっても社会は一人前とみなすし、
そうでなければ、逆に差別になってしまうからだ。
そこを保護する目的で「成年後見人」制度がある。
訳が分からぬまま取引行為をしてしまった場合、それを取り消せる制度だ。
今回のケースも、「取り消しうる事例」に当たる。
将来的なことも考えると、検討した方が良いのではないだろうか。
また、そもそもそれは「まともな請求」なのか?
一般社会通念に照らして、不当な暴利行為ではないのか?
一度通信記録を取って調べた方が良い。
逆に言えば、こちらが想像する以上に、相手に損害を与えているのかも知れない。
不当行為と頭から決めつけるより、調査が先である。

パーソナリティ 今井通子さんの言葉

今井通子さん

2度あることが、3度あってはマズいです。
とりあえず、何があったのか?
どんな電話を、どの位したのかを、記録を取りましょう。
そこから始める問題ですね、これは。

何百万でも踏み倒せ

筆者が思うに
請求内訳に「サーバー管理費」云々とあるからには、入り口はインターネット。
多分風俗営業を模した「架空請求」であり、「まともな取引」ではない。
所謂「出会い系」であれば、会員制であり、利用はポイント制なので、
事実上の「代金前払い」であるから、脅迫めいた請求など来るはずがない。
例えどんなに如何わしいサービスであっても、そのサービスを実際に提供するなら、
その代金を確実に回収出来るシステムが構築されているはずである。
相談のケースでは、母親の職場まで抑えられていることから、
クレジット決済でも無ければ、ポイント制でもない。
相手は債権回収のための人件費を費やしており、それが目的の業者という事になる。
「債権のための債権」を発生させるのが、ワンクリック詐欺のシステムである。
「料金前払い」では、誰も手を出さないPRにも、簡単にアクセスできるという、
インターネットの特性を活かして、突然請求画面を表示させる。
「家族にばれたくない」という心理を巧みに利用し、高額請求をまかり通す。
相談者の息子さんは知的障がい者であるから、表示された電話番号に架けてしまった。
言葉巧みに、家族や職場の連絡先まで入手されてしまった。
まさに、カモである、カモ・・・。
息子さんのPCに「ワンクリックウェア」が仕掛けられていないか?
どんなサイトにアクセスしたのか? を調べるのが最も早い。
3年前に「踏み倒した」のなら、今回も「踏み倒し」で良い。
第一、息子さんは当該業者からなんらのサービスも受けていないはずだ。

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