黙って売ると「祟り」があるかも知れない不動産取引

【相談者】73歳男性 妻と子供2人有り

22年前、父が自宅で自殺した。(当時83歳)
その後母が土地(約200坪)を相続、この度母が亡くなったが、
私独りで住込みで母の面倒を見ていたので、
弟など他の相続人は、土地建物などの全てを気持ちよく私に相続させてくれた。
私はこの家の他に自宅を持ち、妻もそこで暮らしているので、
土地、家屋は売却する意向だが、22年前の父の自殺を考えると、
「瑕疵物件」として申告しなければならないと聞いている。
果たして無事に売却できるだろうか?

弁護士 塩谷崇之先生の言葉

一般に「瑕疵担保責任」というのは、傷物が売買されたときに、
売り手がその責任を負うということです。
「瑕疵」(かし)とは、傷のことで、買った側がこれを申し立てて、
取引そのものを取り消したり、代金を少なくするよう請求できます。
今回の不動産は、自殺があったということで、「心理的瑕疵物件」です。
そういうことを、取引社会で気にする人がいる訳です。
実際に売買された時点で、これが明らかになっていないと問題になります。
ですから、日本の不動産取引では、不動産業者と宅建取引の資格者が仲介し、
その不動産についての、特別な告知をしたうえで取引するルールがあります。
これをやらずに黙って売ると、
後々問題となって契約解除に至り、代金の返還を求められるケースもあります。
建物を除却して土地だけにすれば、売り易くはなりますが基本は変わりません。
もう22年経っているので、気にされないとは思いますが、
決して時効という訳でもありませんので、告知すべきでしょう。
特に不動産というのは、価格が高いですから、
後々問題になってしまうと、結構厄介な立場に追い込まれてしまいます。
そうした事態を避けるために、多少価格は下がっても告知はすべきです。

パーソナリティ ドリアン助川さんの言葉

ドリアン助川さん

今回の御相談とは本質的に違う事ですが、
自殺という形でお父様を亡くされて、不動産の事では無く、
貴方様の心の整理はもうついて居られるのですね。
思いを残すことが無ければ何よりです。
後は全てが順調に進むと良いですね。

「訳あり不動産」売却マニュアル

筆者が思うに
「正直者は救われる」という倫理的な問題だと思うが、
黙って売ってしまった後で、「出たじゃないか」ということがあるのか?
そういうオカルトチックな話では無く、御近所の噂を耳にすることで、
「不誠実」がバレてしまう事が、殆どなのであろう。
郊外に建てられた「豪邸」が、格安で売りに出されていることがある。
売主は実業家、若しくは言葉は悪いが「成り上がり」的な富豪で、
事業に失敗したのち、自己破産して競売にかけられるなどした物件だ。
本人は夜逃げなどして行方不明ならまだ良いのだが、
世をはかなんで、自宅で首を吊って云々となるとこれは「訳あり」だ。
どんなに安くとも買い手が付きにくい。
例え庭にプールがあったとしても、溺れ死にそうで怖い。
戸建ての場合は、このように解り易いが、
分譲マンションの場合はどのようになるのだろうか?
建物全体の不動産価値が下がってしまうのだろうか?
だとすると、周囲の住人はいい迷惑だ。
かと云って、管理組合で「自殺禁止」の御触れを出す訳にも行かず、
ここはアイデアで売り抜いてしまうしかないのであろうか?
「独り住まいとは思えない賑やかさ」をキャッチフレーズに・・・。
やはり誰も買うまい。

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