遠くの親戚より、近くの肉親が恐ろしい

【相談者】57歳女性 夫61歳(単身赴任中)

昨年義父が亡くなった、義母は8年前に他界。
相続に際して遺言書が出て来たので、内容を申し上げると、
「500万円(定期預金)を長男に、残る全てを長女に相続させる」。
「会社は被相続人亡き後は解散とする」、という内容だった。
6年ほど前までの20年間、長男である夫は、義父と一緒に会社を手伝っていた。
しかし親子喧嘩の末、夫はクビになってしまった。
義母亡き後は「専務」という肩書で、役員の為失業保険も何も無くやって来たので、
私たちは路頭に迷う結果となってしまった。
いつかは和解出来る日が来るだろうと思い、様子を見ていたが、
それから5年が経ち、義父が亡くなってあのような遺言が出て来てしまった。
遺産総額は2億円近いものがあったにも関わらず、
「俺は500万の価値しかないのか」と、すっかり落ち込んでしまった。
実際には遺留分を主張して、1/4を取得したが、あのように書かれたことが、
長男の夫にとっては随分ショックであった様子である。
家もお墓も全て妹に持ってゆかれてしまい、夫は悔しさに愚痴る日々である。
「しょうがないじゃん」と云っても、夫婦喧嘩になるばかりである。
元来夫の性格は女のようで、何事も自分の意思を貫かず、
他人のいう事に流されて、今日まで生きて来たような所がある。
これから夫をどう慰めて行けば良いだろうか?

弁護士 坂井眞先生の言葉

坂井眞弁護士

法律的な部分については、もう全て終わっていて、
相続法のシステムも、良く理解して居られる御様子です。
後に残った問題として、
「相続とはなんぞや」の理解の部分ではないでしょうか。
大雑把に計算して。2億の1/4ですから5千万受け取られたわけですね。
世間に滅多と無い恵まれた相続である、
という認識が御主人にあるかどうか?
サラリーマンで働いて5千万貯めるのは、容易な事ではありません。
元々お父さんの資産は、お父さんが生きているうちにどう使おうが、
お父さんの自由な訳で、相続は兄弟喧嘩の元ということで、
全部使っちゃえ、みたいな人だって世の中に一杯いる訳ですよ。
ですから、資産があるから貰えると期待する方が、自分勝手な訳です。
世界にはいろんな制度がありますが、日本の法律では遺言でゼロに出来ません。
そこは、遺留分という形で法律に守って貰ったわけでしょ?
「長男なのに」と云ったって、今の法律は長男も次男も関係ない。
それにもし、「自分が女に生まれていたら」と想像してみる事も大切です。
結果としては、大変恵まれた相続であったと、客観的に知るべきです。
あとは心の問題ですね、加藤先生にバトンタッチします。(笑)

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

加藤諦三先生

御主人に「愚痴を云うな」と云ったって、きっと云いますよ。
何しろ「愚痴依存症」みたいなもんですから。
では何故、そこまで愚痴るのか? というと、
いくら愚痴ってみたところで、
どうにもならない事を御主人も分ってます。
分かっちゃいるけど、愚痴らずには居られない。
これを「無意識の必要性」と云います。
無意識の中に、そうさせる何かが存在しているのです。
それを吐き出させなければ、駄目なんです。
おそらくそれは、「父親への憎しみ」だと思います。
愚痴とは、無意識の中の憎しみの感情が変装した姿なのです。
だから、父親に対する憎しみをはっきりと意識化して、
意思の力でその憎しみをコントロール出来るように、仕向けるしかありません。
今憎しみの感情に支配されている御主人を、励ますためには、
例え百回目の愚痴であっても、「初めて聞いた」ような顔をすることです。
励ますとは、頑張れという事では無く、理解するということです。
貴方なら必ず出来ますから、やってみて下さい。

憎しみは、様々な顔で化けて出る

筆者が思うに
相続は肉親の真の姿を曝け出させる。
純粋な欲だけであれば、解り易い話であるが、
無意識の中の「何か」が剥き出されてしまうと、本当に始末に負えない。
筆者の父が亡くなった際に、このことで本当に憔悴した。
このブログを始めるきっかけになった出来事が、その時の事である。
まず相談の件から申し上げれば、遺言書に対する「愚痴」。
そりゃあ、2億の内の500万はハナクソかも知れない。
でも愚痴はその金額によるのではなく、憎しみがそれを云わせている。
例え500万が5千万のタナボタに変わったとしても、
その憎しみは、無意識の領域のもの、すなわち「三つ子の魂」である。
人間の無意識の中は、本能と自尊心と潜在能力だけ、が望ましい。
何れも生まれた時に、神様から預かったものだが、
何時の間にかそこに、「憎しみ」がインストールされてしまった。
それは何時の出来事か? 「七五三の年齢層での体験」しか無い。
筆者の兄弟も、筆者に対する憎しみを無意識に持っていた。
それは父の相続の際に、「いやがらせ」となって化けて出た。
「私はおカネが欲しくて言っているのではない」と、善人ヅラをした上で、
これでもか、と繰り出されるいやがらせの数々に、私は本当に参ってしまった。
父は遺言など遺していなかったので、分割協議は難航を極めた。
勿論、協議書の署名捺印完了後に、
長男である私は、その兄弟を家から叩き出し、絶縁した。
加藤先生なら、何と言ってアドバイスしてくれるだろう?
そんなことを思って、このブログを始めた次第だ。

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