従い過ぎた幼少時代、自分に空いた穴

【相談者】17歳女性 父65歳 母60歳 姉26歳

大学進学が決まったが、希望の大学では無い。
自分の努力が足りなかったせいであることは承知している。
なので、これから何か資格などを取ろうと思っているが、
何から手を付ければ良いかが分からない。
元々我が家は家族仲が良くないので、私も不安になることが多い。
夢も無く、目標も無く、これからどうやって生きて行こう。
父は考え方の古い人で、何でも自分が一番で他は我に従うべき、
という姿勢で、気に入らない事があると騒いで母や姉を殴ったりした。
具体的な記憶はもう曖昧だが、
6歳上の姉が中学受験をした時、志望校に落ちてしまった。
父は「期待していたのに何でこうなる」と怒り、
姉を殴りつけ、そこへ私を引っ張って来て、
「期待を裏切ると、こうなるぞ」と云って、姉の腫れた顔を見せた。
以来姉は家族から孤立してしまい、父を信頼出来なくなったようだ。
私もそんな姉に申し訳なく思うが、もう10年位姉と会話していない。
物心ついた頃から家庭の中に居場所が無く、
自室に閉じこもる日々である。
小学5年生、6年生といじめられて過ごした。
もう自分がどのように生きて行けば良いかも分からなくなった。

幼児教育研究 大原敬子先生の言葉

大原敬子先生

貴方は希望の大学に入れず、努力が足りなかったと言いましたが、
努力が足りなかったというより、努力が続かなかったのです。
何故なら、貴方は人に会うと緊張するタイプで、
また極端に人を嫌っているために、エネルギーが持たない。
大学が決まった今、ほっとする一方で、「この大学ではダメだ」、
という貴方の虚栄心が、首をもたげてしまう。
でもそれは、貴方の心がそう決めているだけです。
貴方は怒りの上で努力し、やがて「もういいや」と怠惰に向かう。
怒りと怠惰の繰り返しで、今日まで生きて来たのです。
「私は努力が足りなかった」、「私の家族はこんなである」、
という問題提起、貴方の浮遊する言葉だけを信じて回答すれば、
「よし、じゃあもう1年頑張る」という正当な口実が出来上がる。
問題提起と逃げを繰り返して来た、それを貴方は自分で良く解っている。
じゃあこれからどうするか? その大学に行きなさい。
少なくとも一年は頑張りなさい、貴方が決めたことなのですから。
幼い頃に、貴方は御両親に忠実な「良い子」だった。
それが今、激しい怒りとなって貴方を「復讐の鬼」にしている。
「努力が足りなかった」は嘘、貴方は御両親の性格まで牛耳っている。
だから今日の人生相談は、「楽をするため」です。
もうこの悪循環は止めましょう。
人生には、親兄弟以外の付き合いだってあるのですからね。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

大原先生の言葉、どうですか? 図星ですか?
でも、貴方はとても素直な人だ。
その素直さがあれば、乗り越えられます。
今まで貴方は、「他人の反応を変える」事にエネルギーを注いで来た。
今度こそ「自分が変わる」番です。
そうすれば、きっと、必ず、道は開けます。

大学に学ぶのではなく、大学で学ぶ

筆者が思うに
「記憶が曖昧」と前置きしながら述べた、幼少期の詳細。
これらはどうやら作り話であったようだ。
ラジオで嘘をついたところで、誰に咎められるわけでもないが、
そこはベテラン回答者が騙される訳もない。
問題の核心は、この少女の「虚栄心」にある。
大学もこの少女にとっては、見栄えの良いファッションに過ぎない。
手に入れたモノは、どうやらあまりお気に召さなかったらしい。
ならば、浪人してもう一年頑張ると、両親に告げれば良いのだが、
そのための有効な口実も無ければ、モチベーションも無い。
そこで、テレフォン人生相談で「アリバイ工作」を試みたが、
返って来た回答は、「そんな自分を変えなさい」、であった。
確かに前半の少女の声は、籠ったような震えで聞き取りずらかったが、
後半になって、はっきりと聞き取れる声に変わっていた。
「良い子」であるために自分を裏切った幼少期。
成長して「自分に忠実でありたい」がためのプライドは、
実に中身の無い、空虚なモノになってしまった。
その中身を詰めるために、これから本気で勉強するときだ。
今度こそ自分の好きな、自分の興味に忠実な勉強をすれば良い。
どこの大学だって、奥の深い先生は居るものだ。

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