修羅場を逃げたツケ、あまりに大きい喪失

【相談者】55歳女性 夫55歳 長男32歳 次男享年23歳 三男19歳

2年前、次男が23歳で亡くなった、薬物の大量摂取による自殺であった。
私は次男のことを良く解ってやらず、私が死に追いやってしまったのではと、
苦悶の日々を送っている。
夫とは20歳で結婚したが、DVが絶えない家庭だった。
長男に暴力を振るう夫を止めに入ると、私が殴られるという繰り返しだった。
長男はその後22歳でさっさと家を出てしまった。
今ではもう結婚して、完全に我が家からは独立して生活している。
夫は当時と違って、今ではとても優しく、三男には怒った事も無い。
とても元気な三男と3人で、平穏無事に暮らしているが、
独り死んでしまった次男を思うと、いたたまれない。
私も最近は鬱病を患ってしまい、通院中である。
出来ることなら、私も次男の所へ行きたいのだが、どうすれば良いだろう。

エッセイスト マドモアゼル・愛先生の言葉

マドモアゼル・愛先生

三男さんが元気で居られるというなら、
まさに次男さんが家の矛盾を一身に引き受けて、
そして犠牲になって死んだのだろう。
そしてお母さんは、自分のせいだと自己批判しているようだが、
実際は違うのではないだろうか?
本当はお母さん、助けを求めているのではないだろうか?
お母さんは今、助けを求める時ではない、罪を知る時だ。
みんな感情が麻痺しているんじゃないの?
みんなで感情を麻痺させて、自分の保身ばかり考えて、ひとりに異常さを押し付けて、
死んでゆくところを、みんな見ていたんだよね。
今では夫は優しくなったと云うが、そういうことで収めて良い話ではないよね、これ。
何かおかしいよね、やっぱり・・・。
次男さんの所へ行きたいと言っているが、行ったとして次男さんは喜ぶだろうか?
だって、次男さんは「苦しい現実、異常な現実」を理解して欲しかったんだよ!
ここはもっと自分を苦しい所へ追い込んで、現実がどうであったか直視してよ。
ギリギリまで苦しんで、初めて見えてくることだってあるんだよ、人間は。
そうして日々、異常な家族が犯した罪を自覚してやること。
それが亡くなった次男さんへの、一番の供養ではないだろうか。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

御長男は、DVで荒れる家からさっさと飛び出していったのですね。
この家庭から離れることが、唯一生きる道であると理解したのでしょう。
そして、次男さんは優しい方だったのですね。
ひとりでその捻じれた家族の間に挟まって、緩衝剤の役割を果たしていた。
つまりは、犠牲になって亡くなったということです。
そしてお母さん、貴方は現実から眼を背けて居られます。
真実はどういうことだか、解りますか? お母さん。

【再び相談者】
おかしいです、私が馬鹿みたいです。
こんな生活・・・、取り繕わなければ良かった。

【再び加藤先生】
そうです、そんなことしなくて良かったのです。
よくそこまで理解できましたね。
そこまで解ってもらえて私は嬉しいです。
あなたはこれでもう、幸せになれます。
どうぞ、幸せになって下さい。

最後に人を救うのは、真実です

真実を直視する勇気と、喪失感の狭間で

筆者が思うに
「死人に口無し」、誰も真実を語らない。
自分のせいだと、自分を責め続けることで、本当の罪から眼を逸らす。
眼を逸らしたがために、実際はどういう問題だったのかが、説明されていない。
具体的にどんな問題が横たわっていたのか? DVの根底にあったものは何か?
しかしこれらの事実は、加藤先生や愛先生にとって重要な問題ではない。
重要なことは、「真実を偽り自分を欺いている」という事実をどう認めるか。
誠に「おかしい家」だった。
そのおかしさの源は、お母さんの過ちに端を発していた。
「こんな生活」を形だけ取り繕って、誤魔化して来た自分が馬鹿であった。
あのとき、さっさと間違いを認め、清算していたならば、
今頃は長男も身近に居るかも知れない。
勿論、次男も死を選ぶ理由は無かったに違いない。
経済的には苦しくとも、母子4人の幸せな暮らしが実現していただろう。
その修羅場から逃げたことが、若い命の喪失にまで繋がってしまった。
でももう過去は断念しましょう。
全ての真実を受け容れて、明日からまた第二の人生を生き始めることが、
亡くなった次男さんへの供養というのが、愛先生の結論。
ゼロから起こした名回答だと思う。

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