病んだ家庭を選んで生まれる者はいない

【相談者】36歳未婚女性(独り暮らし)

1年2ヶ月交際して来た彼氏が居るが、
今後将来に向けてどうすれば良いか、悩んでいる。
交際を続けるべきか、止めるべきか?
続けるならどのような形で続けたら良いのか、分らなくなってしまった。
付き合って来たにも関らず、彼のことが好きなのか、嫌いなのかすら、
自分で自分が分からなくなってしまった。
5人家族の中でも末っ子の私は、冗談かも知れないけれど、
幼いころから親に「バカだバカだ」と云われながら育った。
家族の中で、私は「ひょうきん」な役割で、何時も皆を笑わせて、
皆に笑って貰えることで満足していたように感じる。
これまで、「確かな自分」というものを感じたことが無い、と云えば、
確かにそうかも知れない。
今後の彼との交際を、どう判断してゆけば良いのだろうか?

エッセイスト マドモアゼル・愛先生の言葉

マドモアゼル・愛先生

家族の中で、屈辱的な役割を何故引き受けて来たのか?
それは姉妹の末っ子という力関係を、幼い貴方が見抜いていたからだ。
そこで貴方は、親との関係性の真実から眼を背けて、
家族にベールを掛けてしまった。
では、彼との関係はどうだろうか?
結婚という話はさて置き、
こんな形で将来ずっと関係が上手く行くだろうか?
やはり、どこかでダメになるよね。
好きかどうかも分からないということは、
自分がこれまで愛されて来たのかどうかが分らない、ということと同じだ。
かつて家族に対してそうであったように、
この1年2ヶ月の何処かで、彼との関係にベールを掛けた出来事があったよね。
こういう生き方は、もう何処かで終止符を打たねばならないね。
そうしなきゃ、不安が取れないし、
不安がとれてからでなければ、今後どうするかの答えも出ない。
「本当は可哀そうだった自分」と云うと、いやらしいけれど、
貴方の中のインナーチャイルドが、貴方に無視され続けているよね。
「本当の事」を見る力を、損なったまま大人になってしまった。
ここを解決しなければ、先に進めない。
では、そのためにどうするか? 加藤先生にもう一度訊いてみよう。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

自分が一体何者なのか?
自分で自分が分からない、ということですね。
話を聞くと、随分屈辱的な子供時代だったようですが、
貴方の中に、かなり強い劣等感があって、
その劣等感の虜になってしまっているようです。
劣等感は、非常に強い感情ですから、他の感情を抹殺してしまいます。
貴方が姉妹の末っ子として「ひょうきんな役割」を引き受けた、ということは、
貴方に屈辱を与えることで、この5人家族が維持されていたということです。
貴方をバカににていなければ、この5人家族は崩壊していたでしょう。
本来親と心が繋がっていれば、
自分が何者か分からないなどということにはなりません。
多分貴方は、皆を笑わせることで満足していたのではなく、
そうすることで、「自分は受け容れられている」という安心感を得ていたのでしょう。
今貴方は、「自分が自分であること」が出来ない状態です。
これは大変辛いし、不安であると思います。
自分でない自分を生きて来てしまった、そのために自分が何者か分からなくなった。
家族の中で、末っ子の貴方が「ひょうきん」であることを引き受ける以外に無かった。
「バカになること」以外、その時貴方にどんな手立てがあり得たでしょうか?
貴方は出来の悪い人では無い。
貴方には「隠された敵意」があるのです。
怖いでしょうけど、貴方は憎んでいる人がいます。
だってそうでしょ、幼い子供に向かって「バカ、バカ」って普通言いますか? 親が…。
それに気付いて、認めれば先は開けます。

病んだ集団は、誰か一人を犠牲にして、その集団を維持してゆきます

インナーチャイルドは、慰めることが出来るのか?

筆者が思うに
幼少時代の傷付いた体験が、大人になってからの人格に影響する。
こういう話は、きっと今後も数多く取り扱って行くことになると思う。
子供の頃に親から「バカだバカだ」と云われて育ったというこの女性。
実は筆者も似たようなものである。
大正生まれの亡き父は、ただでさえ封建的な社会思想の中に生まれたことに加えて、
十人以上居る兄弟の末っ子であった。
長兄との年齢差は親子ほどもあり、親は普通の家庭なら祖父祖母の年齢である。
事実、父の父母は父が小学生の時に老衰で2人とも他界している。
その後は、父母の遺言で大勢いる兄達が親代わりであった。
結果、親でも無い者に親同様の敬いを求められた、それも十人以上からである。
親同様の敬いを求められても、親同様に愛して貰えたわけでは無い。
こんな環境で、まともな大人に成長出来る訳が無い。
今にして思えば、父の精神年齢は十歳程度にしか見積もれない。
また、そんな父の下で育った私が、まともな大人である訳がない。
私の姉は、もっと酷いパーソナリティー障害を負っている。
父親が居ないなら、本当に居ない方が良いのであって、
「居るのに居ない」というのが、一番キツイのである。

こちらにも関連記事があります

修羅場を逃げたツケ、あまりに大きい喪失
真実を直視する勇気と、喪失感の狭間で 【相談者】55歳女性 夫55歳 長男32歳 次男享年23歳 三男19歳
命を取り上げられて、捨てられて
心の闇に積もるゴミ 【相談者】54歳女性 夫54歳 長男30歳 長女28歳 次男25歳(独立済)
スポンサーリンク

シェアする

フォローする