畳に積もる埃にも、胸が詰まって

人生相談 人生の諸問題
【相談者】70歳男性 妻享年63歳 息子38歳 娘35歳

半年前に妻が亡くなり、仕事もなにも手に付かず、
やる気も出ない、情けない。
暗い家に帰ると、家内がどんなに重要な存在だったか身に染みる。
掃除機などの家財道具を見るにつけ、思い出されて仕方がない。
嘱託で週4日働いているが、周りは若い人達ばかり。
年金と貯えで暫く過ごし、仕事は辞めようかなどと思う。
趣味のバイクも、囲碁も止め、タバコも止めた。
妻が亡くなった後、物忘れも激しくなり、職場にも迷惑が掛かる。
こんなことを相談できるものだろうか?

弁護士 中川潤先生の言葉

手前の如き若輩者が、人生の先輩である貴方の相談に乗れるかどうか?
食事から洗濯から、フロ場の掃除から、何から何まで、お父さん、
身の回りの事、全部やって貰っていた。
奥さんにお世話になり過ぎてしまっていたようですね。
大切な人が亡くなった後、半年経ち一年経ち、時間だ経つ程ポッカリと、
大きな穴が空いてしまうんですよね、コレ。
でもね、奥さんはお父さんのこと、見てるわけですよ。
本当に僭越乍ら申し上げるけど、お父さんの中の奥さんが言ってますよ、
「しっかりしてよ、私が居なくなったくらいで何よ」、とね。
間違っても会社辞めようなんて思っちゃ駄目ですよ。
陰ではボケてると思われてんじゃないかと、自分で思う位しっかりしている。
年金と貯金で暮らそうなんて思ってると、反対に辛くなる。
毎朝起きるたびに、独りぼっちだし、寂しいし、暗いし。
暫くは頑張るしかないんだよ、みんなそうなんだから。

パーソナリティ 今井通子さんの言葉

これから独りで生活する上で大切な事ですが、
万一、自分の身に何事か起こったらどうなるか?
出勤するはずの貴方が、連絡も無しに出て来なければ、
なんだかんだ云っても職場の後輩たちは、貴方の所へ来ます。
そのためにも、会社を辞めてはいけません。
今が一番辛い時期だろうけど、仕事は続けなさい。
そして、落ち着いて来たら今度は誰かのために生きてみましょう。
趣味でも、ボランティアでもなんでもいいから、
自分独りの人生では無いという実感を掴みましょう。

もうこれからは独りで自由に

筆者が思うに
70年の人生を生き抜いて来た人を慰めるというのは、
確かに困難なことにい違いありません。
慰めるということ自体に、果たして意味があるのかどうか?
でもこのお父さんの気持ちはなんか、解りますね。
独りで家に居て、家財道具、家電製品などを見る度に、
目頭に熱いものがこみ上げて、仕方が無いのでしょう。
「ただいま」と云って玄関扉を開けても、
暗い部屋からは、誰の返事もかえって来ない。
独りで灯りを点け、独りで暖房のスイッチを入れ、
独りで食卓に向かい、「いただきます」と誰にともなく呟く時。
本当に長い間共に生き、共に暮らしてくれた人への感謝で、
また涙が溢れて、食事も満足に・・・。
お父さん、お金に少し余裕があったら旅行に行ってみよう。
バイクはちょっと危険だから、電車に乗って、
まだ行ったことの無い所へ、独りで出かけてみよう。
いや、奥さんも一緒でしたね、失礼しました。


【人生相談】埋めようのない空洞 永久の離別


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