遺言も一筋縄では行かぬ時代

人生相談 相続
【相談者】68歳女性 夫70歳 長男44歳 長女42歳(障害で同居) 夫の姉85歳

義姉(85歳、認知症で施設入居)から、
義弟(夫、脳梗塞で施設入居)への遺言相続について。
「すべての財産を弟に相続させる」という内容。
姉と夫は偶然今同じ施設に入っている。
夫は脳梗塞で倒れたのだが、もしかすると、
夫の方が姉より早くなくなるかも知れない。
遺言は公正証書だが、
その場合はどういう扱いになるのだろう?

弁護士 坂井眞先生の言葉

一般に法定相続人が被相続人より先に亡くなっていた場合、
民法の規定により代襲相続が認められているが、
本件のように、兄弟間の遺言相続において、
相続するはずの人が先に亡くなっても、代襲相続になるのか、
この点について法律条文に明記が無く、最高裁で争われていたが、
結論として、この場合は代襲相続の考え方は適用されない。
これは最高裁判決による原則論で、
実際に遺言書に何と書いてあるのか?
遺言書全体の内容が分からないと、最終的な判断も出来ない。
特にこの点に付き明記が無ければ、法定相続になるだろう。
従ってもし、お姉さんにまだ判断能力があるのなら、
今のうちに遺言書を書き直して貰うのが一番良い。
正確には、新たに作成した公正証書が効力を持つことになる。

書き直しも時に追われる

筆者が思うに
大変厄介な問題だが、これも高齢化社会の宿命か?
誰が先に亡くなるかなど、神様しか知るわけがない。
これは、今も昔も変わりの無いことではあろうが、
高齢化によって、想定外の事態が起きる確率は、
確実に増える筈である。
いざ、遺言書を書き直そうにも、今度は遺言者が認知症。
軽ければなんとかなるだろうが、そうでなければ無理。
年齢が大きく違わない、兄弟間相続では、
「想定外」などということのないように、
全てのケースを想定した書面作成が求められるという、
誠に今日的な課題を突き付けた、典型例である。


【人生相談】想定外の遺言相続に最高裁判決


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