心の整理とは、心にくさびを打つということ

人生相談 相続
【相談者】62歳男性 妻59歳 子供は皆独立

40年前に母親が亡くなったが、
父と母は別れていて、私は父の記憶が無い。
数年前父について調べていたら、45年前に亡くなっていた。
私は長男なのに、何の連絡も無かった。
遺産の有無については不明だが、私に権利はあるのだろうか?
弟と妹も居るが、聞いていないという。
父が死んだことを知った時は、特に感慨などは無かったが、
毎日このラジオ番組を聞きながら、心に引っ掛かっていた。
もの心ついた頃にはもう父親は居らず、
その分母親に良くして貰っていたので、未練は無いのだが。

弁護士 坂井眞先生の言葉

親が亡くなった際にどうして連絡が無かったかについては、
親子関係が疎遠になっていたとしても、
連絡先が分かっていれば、連絡があるのが普通だ。
しかし新たな人間関係の中で生きていた父親と、その家族にとって、
あなたの存在は、かなり薄くなっていたはずだ。
何処に住んでいるのかも分からないあなたを、捜すのは困難だろう。
相続については、あなたが仰る通りで第一相続人になります。
あなたがいないことにして、分けてしまったのだろうけど、
それは本来いけない事なので、やり直しを請求することは出来る。
遺産分割協議に年数の制限は無く、今からでも有効だ。
しかし45年前の相続であり、それほどの遺産があったかどうか?
また新しい相続も入ってしまっているかも知れない。
負債については、時間が経っているのでさほど心配無いとは思うが、
様々なケースがあり得るということを、覚悟の上でなら、
連絡をとってみるのも悪くは無い。

パーソナリティ 加藤諦三先生の言葉

よくある話だが、父親が亡くなった時には葬式にも出ずに、
素知らぬ体でいた人が、のちに突然亡き父を思い出し涙が溢れる。
あなたの場合、母への想いが強くて、
自分の中に有るけれども、認める訳には行かない感情があるのでは?
父への感情を認めることは、一生懸命育ててくれた母への裏切り。
だから父親が亡くなったことを知った時も、特に感慨は無かった。
お母さんを裏切ることが出来ない気持ちと、
それでも自分の父親とはどんな人だったか知りたい気持ちが、
今あなたの中で交錯しているように感じます。
「遺産をよこせ」という話では無く、
「父について知りたい」ということで、一度関係先を尋ねては如何か。

心を整理することで、心の支えが出てきます

自分の脚で知る、親の人生

筆者が思うに
親が亡くなると、自分が生まれる以前の「時」を訪ねる事になります。
僅かと言えども預貯金があり、不動産名義になっていたりすれば、
亡くなった親の出生時点まで遡って、戸籍謄本の写しを集めます。
それを提出しなければ、土地の名義変更は出来ませんし、
預貯金も原則凍結してしまいます。
筆者の父は大正15年生まれでしたが、亡くなった際私が戸籍を集めました。
明治に作成された原本の末端に、父の出生が記録されているのを見た時、
何故か私は、まだ私の知らない父と、初めて出会ったような感覚になりました。
私は東京在住、父の戸籍は全て関東の日帰りで行ける場所でした。
中には日本中を行脚しなければ、戸籍集めが出来ない方も居られるでしょう。
銀行や司法書士事務所に頼めば、職権で全て取り寄せて貰えますが、
しかし、高額な手数料が掛かります。
であれば、その経費で親の人生を遡る旅をされることを、強くお勧めします。
仕事やら何やらで、とても不可能というので無ければ、
多少の無理をしてでも、行脚のしがいがあります。
父母の出生を訪ねる旅は、心にくさびを打つ旅です。


【人生相談】親の人生を知ってから、私は・・




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